『数ある交響曲の中で、最高の交響曲とは何か』という問いに対しての答えは、例えばベートーヴェンと答える者、いやマーラーだ、ブラームスだ、様々おられると思いますが、ブルックナーの交響曲こそ、最高の交響曲だと答える人はかなりいるだろうと思います。ブルックナーの交響曲が描き出すスケールの大きさは古今東西の交響曲の中でも比類ないもので、それだけに指揮者やオーケストラの能力、それも技術力だけではなくて造形力・構築力を試される楽曲であることも誰もが認めるところだと思います。
昨年、岡山フィルがついにブルックナーの交響曲第4番を定期演奏会において取り上げ、非常に感動的な演奏を披露してくれました。私だけではなく、拙ブログでのコメントやSNS等においても、その熱演について好意的な意見表明がなされたことは記憶に新しいところです。
当日の私の感想はコチラです。
こうして動画で聴いてみると、当日会場では気づかなかった演奏の傷が結構みられて、やはり岡山フィルは技術面ではまだまだ発展途上のオーケストラだなあ、と思った一方で、そんな演奏の傷をものともしないようなアポロン的な造形の見事さ、一つ一つ丁寧に紡ぎ出されていく丁寧な仕事から「ハットする美しさ」「しみじみと味わいたくなる美しい響き」に溢れていて、やはりふたたび感動を覚えてしまう。
この演奏の何が自分を感動せしめるのか。それはこのオーケストラが発する、何のために演奏し、どこに向かっていくのか・・・。そのメッセージに強さなのではないかと思います。私の答えは「歴史を造るため」「この街の未来に財産を遺すため」なのですが、一人ひとりの演奏者や聴衆の答えは微妙に違うかも知れませんが、昨日から今日、明日へと続いていく日常の中で、ただ1回のコンサートという偶然性の奇跡に、一歩一歩あゆみを止めずに前に進んでいくことで、より良い明日が開ける必然性の軌跡も、この演奏の中に見てしまうからだと思います。
コンサートに行けない日々の中で、ちょっと感傷的になってしまっているのかも知れませんが。