お盆休みに入って、なんとか記事を更新する時間が取れるようになりました。今の仕事は文章をガツガツ書く部署では無いので、『書きたい欲』が強い自分は結構ストレスが溜まっていました。この休み中に、記事を書いて発散したいと思います。
口火を切ったのは岡山大学交響楽団で、昨年12月の第65回定期演奏会でブルックナーの交響曲第7番が演奏されたようです。私は都合がつかず行けなかったんですが、過去に聞いた4番も9番も見事な演奏だったので、いい演奏だったのだろうと想像します。
それに対して、「倉管がやるんなら」ということなのかどうかは解りませんが、なんと同じくアマチュアの岡山交響楽団が11月17日(日)に、中井章徳さんの指揮で交響曲第4番「ロマンティック」を演奏するようです。会場は岡山シンフォニーホール。
まあ、パンフレットの構成は、ジャン・チャクムルにスポットを当てていて、ブルックナーを全面には押し出していないのですが(笑)ショパンの1番コンチェルトは30分程度の曲で、ブルックナーは65分。ボリュームは間違いなくブルックナーの方が大きい。
岡山フィルが2019シーズンのプログラムにブルックナー4番を載せたときは「お客さん、入るんかいな?」と心配していたんですが(マーラーの1番のときも少なかったからなあ・・・)、上記の3つの学生・アマチュアオーケストラのメンバーも、地元のプロ・オケがどんな演奏をするのかを見ておきたいと思うでしょうから、結構お客さんは入りそうですね。
日本語で言い表すとすれば、「神話的」とか「伝説的」と言ったほうがいいかもしれない(この「ロマンティック」という副題は、実際のところブルックナーが付けたかどうかは解らないらしいですが・・・)。ブルックナーの生きた時代は産業革命の進展による工業化や科学の発達などによって、社会が急激に変化し、人々の心や信仰も変動していた時代だったでしょう。因みに、ブルックナーの20歳年下にはニーチェが生まれており、そのさらに20歳年下にマックス・ウェーバーがいる。社会的にも思想的にも大変動の時代ですね。その反動として神が絶対的な存在だった中世を理想化するような事も起こり、ブルックナーの交響曲にもそうした時代の空気を読むことができます。この交響曲第4番「ロマンティック」の中には、史実の中世ヨーロッパとはまた違った「理想化された中世の森」の世界が繰り広げられていて、まさにロマン主義的世界=ロマンティックであると思います。
社会の変動に晒され、疲弊した心を癒やしたいという欲求は現代人も同じ。ロビンフッドやロード・オブ・ザ・リングに心惹かれるのも、理想郷的中世世界への憧憬は時代を超えて共有される証左でしょう。だからこそこの交響曲が理想の形で演奏された時、現代人にとって素晴らしい感動的な世界が眼前に現れる。
中世的な、神秘的・神話的世界、あるいは理想郷・・・。現代の富と建築技術を駆使しても、そうした世界を現出させることは不可能でしょう。しかし、音楽なら出来る。
岡山シンフォニーホールは、この曲を演奏するには理想的な音響。特別な体験が出来ることを期待しています。
