岡山芸術交流の感想の3回シリーズ、前回(その1)はこちら。なんとか年内に更新できるかな(笑)
今回は、岡山芸術交流2019のテーマ。「If the snake」について考えてみたい。
パメラ・ローゼンクラツ 「癒すもの(水域)」
前回もそうだったが、 この現代芸術展はテーマにそって作品が制作・展示されているが、 テーマ自体が暗示的で、 作品を強くつなぐような関係性は明確な形では見られない。それは鑑賞者の創造の余地を大きくして、 作品を見れば見るほど空想を広がり、 また鑑賞者個人の潜在意識の中へ旅をするような面白さがあった。
私自身の中での「蛇」へのイメージは、 あまりお目にかかりたくないもの、気持ち悪いもの、 その一方で祖母が生前に「蛇はその家の守り神やから、 殺したり追い返したりしたらあかんよ」 と教えられたことなどを思い出す。
中国山地の真砂土は脆く崩れやすい。 ここ数年は土石流に苦しめられてきた。土石流の後は、まるで巨大なおろち(大蛇)が暴れまわったかのような痕跡を残す。古代の人々にとっては自然災害という説明よりも、おろち(大蛇)の仕業だと考える方が自然だっただろう。そして先進土木技術で土砂災害を復旧し、防災に取り組んだのが須佐之男命だったのではないか?
岡山の温羅伝説にも、温羅が鬼ノ城から巨大な岩を投げる場面があるが、これも土石流のことではないかと思う。
備中神楽も石見神楽も大蛇を退治するシーンんがハイライトとして 描かれている。
岡山や中国地方の人々にとって、蛇は一瞬にして生活を破壊する自然災害の象徴でもあり、 この郷土に住む限り、付き合っていかねばならない存在とも言える。
一方で、西洋ではよりポジティブなイメージが強いようだ。
こんな感じで空想はどんどん広がっていくが、「If the snake」が含蓄するイメージには、まず西洋的な「死と再生」と「 さまよい」が含まれていて、それに加えて岡山や中国地方の人々が持つ、自然への畏怖や人間の存在の儚さのようなものを含んでいるのだろうと思う。
(その3へつづく)
