ルーブル美術館展
日常を描く~風俗画にみるヨーロッパ絵画の神髄~
京都市美術館
6月下旬にこの特別展に行ってから、放ったらかしにしておりましたが、時間が出来ましたので記録用に更新を。
季節は梅雨の真っただ中でまだ肌寒かったのを覚えています。ロームシアターが出来ると、この岡崎界隈にもよく足を運ぶことになりそう。
3月にフェルメールの『リ・クリエイト作品』で見ていたので、それほど大きくない絵画だというのはわかっていましたが、その小さな絵に人が集中するので、いいポジションで見るには時間がかかりました(汗)
やっぱり本物が放つ光は違いました。天球儀と「天文学者」(地理学者と同じ人物か)と言われる部分にあたる光と、部屋全体を包む暗さのコントラストが、「学者」というよりも占星術家と言った方が良いような独特の雰囲気を醸し出しています。この人物が切る着物のような衣服はその名も「ヤポン」。江戸幕府の時代の日本が唯一西洋に扉を開いていた国、オランダで大流行していたそうです。
絵画を見ていくと、自分がよく知らない名前が多い。いかに自分の知識が19世紀以降に偏っているかが分かります(ホントに18世紀までだと、ムリリョとブリューゲル、ルーベンスぐらいしか知らない・・・)。しかし、絵としては見ていて楽しいものが多いです。
しかし、解説などを読んでいくとなかなか一筋縄ではいかないんですね。
例えばピーテル・デ・ホーホの「酒を飲む女」には、お酒を飲む女を中心に若い男が二人、その横で老婆が描かれている。手前の床には犬が眠っている。この眠っている犬がポイントだというんです。眠る犬は誠実さや貞操が「眠っている」状態。女は娼婦で男は女を物色し、横の老婆はお金をピンハネする「取りもち女」という答えでした。
一方でハブリエル・メツーの「若い女性を訪れる士官」にも犬が登場し、犬は若い女性に語りかける士官をしっぽを振りながら見ている。これは若い士官が女性に愛情を向けている様子を表している。犬の目が空いているか閉じているかが重要・・・うーむ、奥が深い。
他にもいわゆる「画中画」と言われる、絵画作品の中の壁などにかけられている「絵」にも色々なメッセージが込められていたり、登場人物の服装はもちろん、描かれた果物や家具や道具などの種類など、作者がメッセージを込めるアイテムには事欠かない。
風俗画は実際の生活の場面を切り取ったわけでは無く、画家たちの想像力によって創作された「日常の風景」が描かれている。だから絵画の中に当時の社会の倫理観や価値観の宗教感といったものが凝縮されているわけですね。
特別展では気に入った絵の絵ハガキを買うようにしていますが、今回買ったのはこの5つ。
ジャン=バティスト・クルーズの「割れた水瓶」、ヨハネス・フェルメールの「天文学者」、クエンティン・マセイスの「両替商とその妻」、マルタン・ドロリングの「台所の情景」、ペーテル・パウル・ルーベンスの「満月、鳥刺しのいる夜の風景」


