天井桟敷のつぶやきver3.1

瀬戸内地方のコンサート感想記録。since2006.7.26 ssブログ(旧so-netブログ)サービス停止のためはてなブログに引っ越してきました

岡山フィルハーモニック管弦楽団2018/19シーズンプログラム

 ようやく今年初めてのエントリーです。今更ですが・・・今年もよろしくお願いします。

 12月25日に「岡山フィルの2018/19シーズンプログラムの発表は?マイシートの発売は?」という記事をエントリーした翌週に、岡山フィル公式から来シーズンのプログラムが発表されていました。
 来シーズンもマイシートが発売され、今日が発売日。今回も、次年度引継制(次のシーズンも同じ席が自動的に予約される制度)の導入は無く、一から選びなおしになりました。来シーズンはこれまで確保してきたエリアから離れ、別の場所へ移動しました。
2018年5月27日(日)15:00開演  岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第56回定期演奏会  ~心・踊る・ロシアの魂~
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
ヴァイオリン独奏/福田 廉之介
 
2018年10月14日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第57回定期演奏会 ~シェレンベルガーベートーヴェン交響曲シリーズ完結~
ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
ピアノ独奏/中桐 望
 
2018年12月9日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
ベートーヴェン『第九』演奏会2018 ~巨匠 秋山 和慶 岡山フィル第九再登場~
指揮/秋山 和慶
ソリスト/オーディションにより選出(予定)
 
2019年1月20日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第58回定期演奏会ニューイヤーコンサート ~新年の幕開けはロッシーニの名曲の数々とモーツァルトの傑作交響曲で~
ロッシーニ:歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
ロッシーニ:名曲アリア集
モーツァルト交響曲 第41番「ジュピター」ハ長調
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
ソリスト/岡山にゆかりのある声楽家の方々
 
2019年3月10日(日)15:00開演 岡山シンフォニーホール
岡山フィルハーモニック管弦楽団第59回定期演奏会 ~シェレンベルガーブラームス交響曲シリーズ進行中~
ブラームスハイドンの主題による変奏曲
指揮/ハンスイェルク・シェレンベルガー
 
 以前のエントリーでも触れた通り、来シーズンから主要10パートの首席奏者が就任するということで、岡山フィル本来の10型2管編成の楽曲で固めてきましたね。ソリストは4回の定期のうち3回が地元出身のソリスト・声楽を起用し、地域密着の姿勢を打ち出しています。
 あと、隠された狙いの一つに、「楽団とともに聴衆も育っていくように」との願いもこめられているように思います。
 今の聴衆層は、ベートーヴェンドヴォルザークチャイコフスキーなど、超メジャーな楽曲だと客足は安定していますが、超メジャーな曲を外すと(マーラーR.シュトラウスといった後期ロマン派の人気演目でさえ)一気に客の入りが悪くなります。
 オーケストラの定期会員(マイシート)の醍醐味は、「自分は聴いた(食べた)ことが無いけれど、最高の素材(隠れた名曲)をシェフが腕によりをかけて料理したものを頂く」ことにある。
 オムライスやハンバーグ(超名曲)は確かに美味しいし、安心の選択肢ではあるけれど、せっかく地元に腕のいいコック集団(オーケストラ)が居るのだから、自分の知らないメニューに挑戦して、自分の知らなかった圧倒的な世界を味わってみたい!
 そう思う人が増えて、はじめて岡山のオーケストラ文化が育つ、ということになろうかと思います。
 来年度のプログラムは「岡フィルというお店のシェフと料理人の腕は確かですよ」という認知を拡大するための年になりそうです。店に対する信頼が出来てくると、毎回オムライスやハンバーグを頼むより、「シェフのおススメを頂こうか」という大人の楽しみ方もできるようになる。そのための仕込みの1年になりそうです。
 また、地元の風土が生んだ最高のワインたち(福田廉太郎さんや中桐望さん)が、ソムリエ(シェレンベルガー)のエスコートでどんな味わいを見せてくれるか、も楽しみです。
 1月定期は、今年と同じく地元声楽家による「オペラ・ニュー・イヤー。プログラム」を前半において、後半はモーツァルトの「ジュピター」交響曲モーツァルトの後期交響曲は、シェレンベルガー氏の十八番でありながら、岡山フィルの首席指揮者就任後6年間封印されてきました。岡山フィルのアンサンブルが成熟するのを待って、ようやくその封印が解かれます。
  3月定期では前半にハイドン・ヴァリエーション、後半は交響曲第4番で、ブラームスの名曲を並べてきました。どちらもプロのオーケストラならば頻繁に弾かれるレパートリーですが、アンサンブル能力の高さが要求されます。新首席奏者陣のもと、どこまで成熟した演奏を聴かせられるか、シェレンベルガーの手腕に期待ですね。